矯正治療における便宜抜歯について(1)

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明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します!

院長の吉川です。 

今日は、矯正治療での小臼歯抜歯について、お話したいと思います。

当医院では、出来るだけ歯を抜かずに治療を行っております。

そのルーツを少しお話したいと思います!!

 

まずは、矯正の歴史についてからお話したいと思います。

矯正歯科の歴史はアメリカに始まりしたが、1903年、エドワ-ド・アングル博士(左の写真)が矯正歯学の理論を発表したのがその幕開けでした。アングル博士の矯正は「歯を抜かない」治療だったのです。

 

実際にアングル博士の「非抜歯矯正」理論は、当時のアメリカの歯科医たちの基準にもなり、アングル学派と呼ばれるようになりました。これに対し、スペ-スの足りない症例では、小臼歯を抜くべきと主張したのがC・S・ケ-ス博士でした。1911年には、矯正歯学の世界で有名なできごととして、アングル学派の「非抜歯論」とケ-ス博士(右の写真)の「抜歯論」が論争を展開した「抜歯論争」がおこりました。

この論争では「非抜歯論」が優勢でした。ところが、1930年にアングル博士が他界してから、「抜歯論」が急速に広がっていき、やがて「非抜歯論」を駆逐してしまったのです。つまり、歯を抜かずに矯正するというアングル博士の理想はわずか20年間ほどしか続かなかったわけで、そのため、日本に矯正歯学が入ってきたときは、「抜歯」を当然のものとしていたのです。

なぜ抜歯が急速に広まったかというと、抜歯を行うことで、簡単にスペースを作れること、また麻酔の技術も上がってきたこと。また最も大きな理由として、抜歯派が台頭した当時は、口腔についての研究があまり行なわれていなかったことでしょう。

歯は顎の骨に生えていますが、歯だけでなく、顎の骨や顎関節、舌などをふくんだ口の中(口腔)と全身との関係を研究するのが「口腔学」ですが、これが未発達だったわけです。非抜歯派にしても、そういう科学的な観点はまだもっていませんでした。

ですから、歯の一本一本の役割もそれほど明確ではなく、まして存在感が薄いと思われていた小臼歯については、ほとんど役割がわかっていなかったといってもいいくらいです。そういう状況が抜歯派を優位にし、小臼歯が慣例的に抜かれるようになったのです。

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