「食べる」ということ
今日はクリスマスですね。
こんにちは、歯科衛生士の常吉です。
名前の読み方でご質問を頂くことがありますが、「つねよし」と読みます。
当院では初めてのブログ更新です!
私は、歯科衛生士としては18年、矯正分野では11年目となりますが、まだまだ勉強しながら、よしかわ矯正歯科の皆様のお役に立てるよう頑張っていきますね!
さて、今回のテーマですが。。。
10月7日にパシフィコ横浜で開催された「第8回日本国際歯科大会2018」での講演内容について書かせていただこうと思います。
この大会には、今回初めて参加させていただきましたが、とにかく演題が多く、体があと2、3個あれば…!と思いながらも苦渋の選択で、6つの講演を選びました。
1コマ目は東京歯科大学の阿部伸一先生「口腔の健康は機能の維持から」。
テレビ番組にもよくご出演されている阿部先生。実は私も阿部先生のお話をお聞きするのは2回目だったのですが、今回もとにかくお話が楽しく、わかりやすく(歯科の話って難しいですよね 笑)とても勉強になる内容でした。
皆さんは「食べる」ということについて考えたことがありますか?
実は「食べる」と一言で言っても、この行為にはいくつかの行程があるんです。
まずは、食べ物を取り込む「摂食」
次に、口に入れた食べ物を噛み砕く「咀嚼」
そして最後に、口の中の食べ物を胃へ送り込む「嚥下」
少し難しい言葉なので、わかりやすく簡単に言いますと、口に入れて、よく噛んで、飲み込む、といった感じでしょうか。
「摂食」で大事になるのが唇の働きです。
人間の口には、唇の周りを取り囲むように「口輪筋」という筋肉があります。人間が口を閉じて食べることができるのはこの「口輪筋」のおかげなのです。
犬や猫の「口輪筋」は中途半端なため、口を開いて物を食べます。
皆さんは、食事の時、クチャクチャ音をたてている方を見たことがありませんか?
もしかしたらその方は、この「口輪筋」が弱いのかもしれません。
「口輪筋」が弱く、口が開きやすい方は口呼吸をしていることが多いのですが、その口呼吸は百害あって一利なし、と言われています。
こちらに関しても書きたいことが山ほどありますが、それについてはまた違う機会に書かせていただきますね。
「咀嚼」というと、噛むという動きだけを連想する方も多いと思いますが、食べるという動作の中で、実は、舌も大きな役割を担っています。
食べ物に唾液を混ぜ絡ませ
砕いて
飲み込みやすくする
上下の歯でものを砕きながら、これらのことを舌が行うことで食べ物に唾液が混ざり、消化を良くします。
わかりやすいイメージとしては「お餅つき」を思い出していただくと良いかもしれません。
お餅を返す手が舌、手を濡らす水が唾液です。
唾液には種類があり、舌のある内側から出る唾液は、頬っぺた側から出るサラサラの唾液に比べ、ムチンというネバネバ物質が含まれた粘り気のある唾液です。
このネバネバが、食べ物をまとめて飲み込みやすくしてくれる、というわけです。
そして「嚥下」。
食べ物に唾液を絡ませながら上手に咀嚼できない人は、食事中に水やお茶を飲んで流し込む癖があるようです。
飲み物がないと食事できないという方は、よく噛んでいるか、考えてみても良いかもしれませんね。
食事中はできるだけお水やお茶を飲まずに、自分の唾液を出して飲み込む癖をつけてみてください。年齢とともに唾液が出にくくなるのは仕方がないことですが、唾液腺マッサージなどをすると唾液の出も変わりますので、良かったら調べてみてくださいね。
「食べる」ということは、この3つの動作をそれぞれ正しく行うことで成り立っています。
簡単なことのように思えますが、実は、これらの動きが正しく行えていないことで、噛み合わせがくずれている、ということも少なくないのです。
正しい食べ方であれば、この3つの動きの中で、舌は上下の前歯にほぼ当たらないのですが、皆さんのお口の中はどうなっていますか?
当院でも積極的に行なっている、舌口腔筋機能療法(MFT)は、こういったかみ合わせを崩す悪い習慣を正し、本来のバランスを取り戻して後戻りの原因できるだけ無くしていくための訓練です。
噛み合わせや歯並びが気になり、矯正を考えている皆さんも、そういった力の関係についても考えてみてはいかがですか?
余談ではありますが、片側でばかり咬む癖がある人は、咬んでいない方の味蕾が機能低下し、そちら側で味を感じられなくなるそうですよ。
長い人生、出来るだけ美味しく食べていきたいものですね。
皆さま、良いクリスマスをお過ごし下さい♪